nekoyanagi0777’s diary

僕の/私の 脳内メモリー

僕の受験は終わったんだ

先日受験を終えた。

僕の受験が落ち着くと、反比例してみんなの受験は加速する。

一般勢が追い込みをかける、2ヶ月間。

テストが迫る、1週間前。

いよいよ学校はただただ勉強をする場所と化する。

それは授業中や、放課後からも感じ取れる。

静かだなぁ(やる気のある人は)。

僕はその中に何かを見出そうとする。

 

そんな僕も、人生最後になるであろうテスト勉強をしなきゃあいけない、でもそれに気づいたのはテスト9日前だった。

前のテストからのスパンが短すぎるよ。

頑張ってやろうとするも日本史の言っている意味がわからない。

頑張ってやろうとするもどこが大事だか分からない。

それらと、闘っていたんだ、僕は。

そんな放課後16時だった。

 

そこで僕は君にメッセージを、"これはどういう意味なの?"。

頭の冴えている君はすぐに答えるんだよね、僕にも分かりやすく、懇切丁寧に、みんなにもそうだろうけど。

そして僕はお願いした、"今度テスト出そうなところ教えてよ"。

そしたら君は、いつがいい?今日?って、冗談だよって言いつつ質問したんだ。

僕は早く知りたかったから、だからね、だから早急に来てって言った。

君はすぐ来てくれたね(近くにたまたまいたから)。

 

君は日本史が苦手な僕に優しく教えてくれた、雑談も交えつつ。

色々な話をしたよ、楽しくてさ、まぁ女の子と二人だなんて息が詰まるんだけど。

そしたら一人クラスメイトの女の子が教室に入ってきて、一人でイヤホンをしながら掃除を始めた。

"これが日課なんだって"

笑いながら説明する君。

こんなことを毎日してくれていたんだね、クラスメイトの女の子よ!

あまりに意外すぎて、えらいじゃんか、って2人は笑っていた、1人は照れ笑いをしていた。

その驚きと彼女の優しさを味わい、あのぽわぁっとしたクラスの雰囲気を思い出しながら、言った。

"だから毎日綺麗なんだね"

僕惚れそうになったよ。

こんな子がうちのクラスには沢山、居るんだ。

 

彼女は30分ほど丁寧に一つ一つの机を回った。

僕らのことはしっかりと避けてくれていた。

でも変な勘違いはしないでくれ、ごめんな、気を遣わせて、優しいな。

 

二人きりに戻った教室は2時間ばかり僕らだけを、匿った。

6時を半分ほど回ると学校警備員が。

僕らは寒い帰り道をゆく。

手が冷たいねだなんて話す。

"あれ、あたし指先タイプだわ。"

"それって指先だけ寒くなるタイプってことかよ"

なら、  指先だけ寒くなるタイプって言えよって一人になってから突っ込みたくなる、思い出すだけで果てしなくしょうもないよ、それが楽しかった。

続きはまた近いうちに教えてって僕はバスに乗った。

今日もたしかに息は詰まった。

だがなんだか今日は胸糞が悪くないのだ。

このまま一緒に色々なことを乗り越えるのも悪くないな、自分は彼女と居ると良い影響を受けるかもしれない、なんて。

嘘か真か分からないけど、ほんの少し心地良い気がしたんだ、気がしただけかもしれないけど。

 

バスから降りると同時に僕の指先は冷やされた。

あれ、さっき手の冷えについてあの子と話してたよな、確かに話してたよな、あれ記憶違いだったかな、そんなことないよな。

自分に自信がなくなる、そんな気温、程よく寒かった。

凍えた指先を掌に畳んで、包んで、"この感覚はモノホンだよな"。