nekoyanagi0777’s diary

僕の/私の 脳内メモリー

本屋

僕は本が苦手だ。

 

活字を沢山読みたいだなんて思わないし、分厚い本を読みきろうとしたら何日かかるか分からないし、長く読んでいると眠くなってくるし、度々出てくる難しい言葉を調べようとは思わない。

だがしかし今日はスマホの保護フィルムを代行で貼ってもらっている間、時間を持て余した僕は本屋さんへ行くしかなかった。

近くて暇の潰せる一番手っ取り早い方法だったのだ。

時計を持っていない為、これは勘で受け取り指定時刻に戻らなくてはいけない。

30分間を感覚で測る。

 

本屋さんは静かだった。

まぁ、当たり前なんだが、僕にとっては新鮮だった。

あぁ、僕は本が苦手だ。

自ら進んで読もう何ぞ思わない。

だがしかし本屋は嫌いでないかもしれない。

どうやったら本を手に取ってもらえるか、作者が考えに考え抜いた題名がずらずらと並んでいるのだ。

渾身の題名だ。

読むだけで〜、◯◯も絶賛〜、色んな文句が書いてある。

読んでー読んでーと僕に上目遣いをする本たち。

必死だな、と僕は笑いながら、スタスタ。

その感覚が妙に良い。

何かの文豪にでもなったかのようだよ。

本屋は良いな。

本屋はな。

静かに足音が響く。

本屋は良いな。

そうこうしているうちに身体が30分を感じたため、下に降りた。

自分の中にある感覚はあながち優れてるかもしれない。

綺麗に貼られたスマホの保護フィルムを光にてかてかと照らす。

良し。