二人で出掛ける日の直前は。
気をつけることが多いのが面倒くさい、緊張するのが苦。
そう思いながら、心を落ち着かせる為の深呼吸の代わりに大きな溜息をする。
僕は集合場所まで、今回が最後だろうと思いながら歩く。
人を待つ時のあの胸騒ぎよ。
胃も騒ぐ。
そして始まる、これっきりだと感じていた二人の時間。
苦だと思ったら。
結局これが僕を幸せにした。
結局なんの心配も要らなかったかのように楽しく終わるんだ、あんなに面倒くさいと考えていたあの時間が、僕を幸福にさせる時間へと変貌を遂げる。
すると、次はもっと楽しいかもしれないと考えてしまう。
その波で、僕は無敵にでもなったかのようにどんどんプラス思考に考えようとするが、今回はたまたま、何も阻むものがなく楽しめたんだと、すぐ考え直してしまう、どこかで幸福を感じたまま。
二歩進んで一歩下がる、これを繰り返しては、たまに後退して。
もしもの可能性を考えてしまう臆病な自分。
そんな最近の僕。
僕は君の悪いところを見つけたかないし、僕だって見つけられたかない。
長く一緒にいると色んな事が分かるじゃないか。
それに僕は耐えられるか分からないんだよ。
僕は君のイメージ通りの僕でいられる自信は無いが、君には僕のイメージ通りの君でいて欲しい。
だから、不即不離のままで、曖昧で見えないところは僕の良いように想像させて欲しいんだ。
君の色々を背負いたくはないし、逆に背負わせたくもない。
恋愛が面倒くさいのかって?
いや、面倒くさいというよりな、怖いんだ。
そんな僕は今日、Kちゃんとお茶をしたんだ。
もっと話したいから今度どこかへ行こう、あなたの居心地のいい場所と時間で構わない、と僕に気を遣ってくれる人だった。
お茶だけだし、と思っていても、それだけでも、僕は面倒くさかった、何度大きな溜息をついたか。
しかし終わると君との時間は有意義だった。
友達の誕生日プレゼントを買うため、驚くことに、2時間ほど付き合ってくれた。
かなり振り回すが良いのかと何度確認したことか。
なかなか根気のある彼女だった。
だが友達からは良い噂を聞かないため、まだ猫を被っている場合も十二分にある。
これは少し品定めをしないといけないのだ。
さあ、どうしよう。
三人全てを選ばぬか。
それとも一人を選ぶのか。
どう足掻いても、いずれ選ばなければいけないことになるだろう。
なあ彼女、僕、今日のカフェモカが気に入ったよ、ミルクとの割合が丁度良くて、今度は誰と来よう。