nekoyanagi0777’s diary

僕の/私の 脳内メモリー

現実から夢までの片道切符はいくらですか

--ああ、この感覚かぁ。

 

ついにはこんな夢まで見るようになってしまった。

彼女と僕が帰り道を共に歩く。

バスを待つ僕たち。

どうやら話は盛り上がっているようだった。

バスが来る。

僕は告げる。

"一本次のに乗る"

僕はきっと、まだ君と話がしたいんだろうな、夢の中でも分かった。

彼女は照れくさそうに次のバスまでの時間、話している。

バスは僕らを追い立てるように来た。

"じゃあね"

僕は彼女の肩をトントンと叩きながらそう言った。

その人肌の感触が全身に伝う中、バスへ運ぶ足は、とてつもなく軽かった。

バスの中で感じるのはただただ幸福感だった、あの時感じた幸福感だった。

--ああ、この感覚かぁ。

 

僕はその感覚を現実に持ち込もうと、不意に中学の帰り道の記憶を探した。

中学校から自分家までの短い帰り道を、ゆっくり大切に小さな彼女と帰っていた、それはもう桃ほどは甘くないけど、苺ぐらい甘くって、レモンほど酸っぱくないけど、グレープフルーツぐらいは酸っぱかった。

 

その感覚だよ。

夢にまで彼女が出るようになった僕さ。

今はもうRちゃんの影は薄かった。

あの感覚また感じてみないか、兄弟。

何を恐れて止まっているんだ、兄弟。

囁くなよ、そんな誘惑を。

もう昔の僕とは境遇が違うんだ。

でもやはり夢から覚めた僕は幸福感に満ち溢れていた。

ほらだって、この幸福感を忘れないように一生懸命朝六時、ここに綴っている。

現実には色々考えることが多すぎる。

夢のままで良かったのだ。

覚めなければ良かったのだ。

君が僕の夢の中まで来て、僕を君の夢の中まで連れ去ってくれれば。

バスを何本見送ったって良いよ。