nekoyanagi0777’s diary

僕の/私の 脳内メモリー

世界一静かな失恋

失恋なんて何年ぶりだろうなぁ、いや、これは失恋と言うのか?

失恋というより、美しく塗り替えられた昔の君の幻想が、三年間のブランクで変わってしまった現実と化しただけなんだ、きっと。

まあそれを僕は静かな失恋と呼ばなければいけないんだけど。

この刹那に平成から令和になっちまったんだ、こんなんじゃスッキリしねぇよ。

将来、おじいちゃんは平成の終わりに何をしてたの?、と聞かれたら嘘をつかずに答えないといけない。

 

あぁおじいちゃんは、平成の最後なんかに、静かな失恋の、嘆きを異性の友達に4時間ほど聞いてもらっていたよ。

 

くそだろ。

 

 

 

 

4年前、自分は君に飽きたから、他の人にアプローチされていたから、君を振ったんだよ。

あぁあの時の自分に言いてえなぁ、後悔するぞ。

でもその時に振っていなかったからと言って、今まだ付き合えてるとは分からない、なんとなく、どちらにせよ僕が目移りするかして破局していただろうと思う。

 

それでもやっぱり終わり方は大事なんだ。

僕が他の人に目移りしたから別れるのと、二人きりを当時は謳歌して別れるのとは訳が違う。

そしたら今、僕は、もしかしたら、もしかしてるかもしれないのに、な。

 

 

 

LINEで話す僕らはまるで、二人で居た昔を一つ一つ思い出して黄昏ているみたいだった。

あぁあんなことがあったね懐かしいね、あの時は本当に好きだったから、最近は大丈夫?変なやつに絡まれないようにね、ちょっと心配だな、そうだね昔は楽しかったね、って、そんな雰囲気が漂ってたじゃないか。

 

それが崩壊した時僕は、5.6年ぶりの何かを感じた。

とてつもなく、とてつもなく辛いものだった。

崩れる音を立て始めた時、それはいきなりやって来た。

あぁ今日は格好いい男の子とまさかの二人でお出かけだわー緊張する

って、LINEが来た。

その時僕は群馬にいたんだ。

あぁ今思えばくそ群馬旅だったよ!、君の所為で何にも食べれやしなかった!、あぁなんなら今もだ!

君は好きな人以外とは二人で遊ばない質だと言っていた。

ってことはって考えるとその時僕は崩れ落ちそうだったよね、お腹痛くなって、気持ち悪くなって、返信が出来なくなって、あぁそれはそれはくそだったさ、そりゃあ。

どうにかすれば了承を得られるかもしれないなんて馬鹿なこと考えて、近況報告会でもするか!とフランクに誘ったんだ、本当馬鹿だよな。

まぁ二人では断られたよ。

そりゃあそうだろだってもう二人で遊びに行ってる人が居るんだ、それが好きな人ってことだろう、なんでうまくいくと思ったんだよ、馬鹿か、阿保か、自分。

 

 

 

断られた今になってもまだ僕は君とLINEをしている。

今男の子からの返信待ってるんだぁ、めっちゃ格好良いんだぁ、気になってる人とLINEしてるの最高、ってそれ、無意識に言ってる?意図的に言ってる??僕のメンタルを崩壊させようとして言ってる?なに、新手の殺人?

 

 

 

デート中君が、他の男の一つ一つの仕草に格好良いだの何だの思ってるんだとか思うともう気が狂いそう。

昔良く使ってたLINEのスタンプ、今も使ってるんだな、あの男にも同じように使ってるのか。

君は言う、完璧な男、か、ぞっこんか、なんだ、くそか。

ああ君に愛される男なぁ、二人はおやすみってLINEで言い合って僕への返信なんて忘れて先に寝て、君はその男のおはようで朝目が覚めるんだな、つら。

僕のなにがいけない?そこそこモテて、大学も行って、友達から僕の話は面白いと定評ももらってるのに。

LINEの内容も、君にときめいた時のエピソードも、不機嫌になると素っ気なくなるあの癖も、同じクラス、隣の席で楽しんだあの笑顔も、昔のことならいくらでも思い出せるのに。

何がいけない?

 

 

 

 

 

この失恋が静かに墓に葬られますように。

 

 

 

 

 

令和の朝も、明日も、明後日も思うよ。

 

あぁ今日も失恋をした自分が起き上がる。

 

セーヌ川にでも飛び降りてぇな。

死にてぇな。

 

屍。