自分に執着してくれると思っていたのが馬鹿だったみたいだ。
返答が素っ気ないのにやっと気がついた、この頃。
だから本当は僕も帰路だったが、あえて返答しなかったよ。
きっと大人数でわいわいやっているんだろう、そういうのを見るの、苦手なんだ。
君はもう忘れちまったのか、捨てたのか、昔を。
そりゃあ今でも執着していたらそれはそれで怖い。
だけどそんな素っ気なくする必要ないだろう。
できる時期までは仲良くやっていたいって言ってただろう、僕覚えてる。
その期日がもう来てしまったのか?たった2ヶ月と少しで?
狂気の沙汰なんかじゃない、ただ、ただ違和感を覚えているだけだ、何か悪いか。
シティーガール、シティーボーイって、巷で何か言ってるよ、あと何年もすればそんなの恥ずかしい歴史へと化しちまうだろ、君は派手にシティーガールにでもなったのかな、知られないよ。
僕の知らない男と女、新宿、カラオケボックス、深まる夜と明る夜。
どうせあの子も、その子も、今まで以上に変わってしまうんだと今から予感している、きっとそうだ。
無論僕自身もそうなのだが、何故だか自分はさほど変わらない自信がある、歳を経るにつれ人間への興味が深まるくらいだろう。
不変で居たい、なんて思っている。
変わらなければ面白くはないけれど、僕はあえて、ある程度は不変でいたいと思っている、ある程度は。
人肌の温もりは忘れたし、失ったものは取り戻せず、また尚失おうとしている自分だ。
あるいはこのままなのかもしれないと思うと、行く当てを見失ってしまう。
焦りを感じているのは、はて。何故だか。
こうやって君は僕の元から離れて、僕は他の行く当てを探して、またその人は僕の元を去って。
甘い感覚を取り戻すこともできず、一つの果物が空っぽの状態で実をつけるかな。
永遠はもう半ばを過ぎたみたいだと誰かが言った。
エイエンなんてなんとなくだね。