この前音大祭に行った。
そこは僕の目指している大学。
ピアノ実技入試は約2週間後。
ここを受けるため、僕は部活を犠牲にした。
中学まで入っていた吹奏楽部、僕はアルトサックスを吹いていた。
高校生になっても続けていたかったけど、二兎を追う者は一兎をも得ず、仕方なく諦めた、犠牲にした。
高校1年生の頃は大変だったなぁ。
部活が無い生活がこんなにも寂しいなんて、想像してもなかった。
学校から早く帰って、入試に向け、一人でピアノを練習する日々、孤独の音楽。
高校は中学より必然的に楽しくなるものだと思ってたんだよなぁ。
異性と接触しなくなったのも、一緒に食事に行くことに体が抵抗を感じ始めたのも、その頃からだったっけな。
あ、高校2.3年はいたって楽しいよ。
だから僕は入試が終わったら一生懸命サックスを吹くんだ、吹いてやる、宝島のソロだってもう一回格好良く吹けるようにしてやる。
それが楽しみなんだ。
音大に入ったら環境が変わるから、一緒に食事とか普通に行けるようになるかなぁ。
心配だよ、しゃんとしてくれよ僕の身体。
いやぁ、なんて病的なんだろう、困ったものだよ。
ああ彼女、僕が音大に行っても君を欲していたらきっと連絡をするよ。
環境が変わるその時まで、待っていて欲しい。
だから今は友達で居たいんだ。
ずっと続いているライン。
特に恋愛の話はしていない。
ずっと共通の話題、お笑いの話ばかり。
"ひょっとして"な気持ちが芽生えないように、僕は返信を制御する。
今まで話していた、いろんな話題に返信しないで、僕はね、これだけ送りたい。
"雨だね"
天気を語る程で、丁度良いんだよ、そんな今。